結論:公開済みか、自分に渡す権限がある情報だけから始める#
生成AIへそのまま入力しやすいのは、公開済みの情報、自分で作った一般的な文章、機密性のない架空データです。個人を特定できる情報、会社や取引先の秘密、ログイン情報、未公開の成果物は入力しません。業務上必要なら、所属組織が許可した製品・契約・設定の範囲を先に確認します。
「モデル学習に使われない設定」は重要ですが、保存、サービス提供のための処理、人による確認、接続先への送信まで一括して無くす意味ではありません。入力可否は、情報の種類と契約条件を分けて判断します。
3段階で判断する#
| 扱い | 例 | 使う前の判断 |
|---|---|---|
| そのまま使いやすい | 公開済みWebページ、一般的な質問、自作の架空例 | 権利と公開範囲を確認する |
| 加工してから使う | 社名を除いた文章、値を丸めた集計、個人を特定できない例 | 元情報を復元できないか確認する |
| 入力しない | パスワード、APIキー、顧客名簿、未公開契約、診療情報、他人の顔や声 | 組織の承認済み環境でも必要性と契約を個別確認する |
名前をA社に置き換えただけで安全とは限りません。部署、地域、金額、日付などの組み合わせから対象が推測できる場合があります。加工後の文章だけを見て、元の人や会社を特定できないかを確認してください。
特に入力しない6種類#
- パスワード、APIキー、秘密鍵、Cookie、認証コード、復旧コード
- 氏名と住所、電話番号、メール、マイナンバー、口座・カード情報などを組み合わせた個人情報
- 顧客名簿、採用候補者、従業員評価、診療・健康・相談内容
- 未公開の売上、契約、企画、研究、ソースコード、脆弱性情報
- NDAや守秘義務の対象、取引先から預かった文章・画像・音声
- 権利や同意を確認していない他人の写真、声、著作物
「AIが回答できるか」と「入力する権限があるか」は別です。自分のアカウントから送れることを、会社や本人から許可されたことの代わりにしません。
学習オフでも確認が必要な理由#
OpenAIのData Controlsでは、モデル改善をオフにしても会話履歴は残せること、Temporary Chatは学習に使われず履歴やメモリを作らない一方、安全目的で最大30日保持され得ることが説明されています。Gemini AppsではKeep Activityをオフにした会話も、応答と安全確保のため72時間保存されると案内されています。
したがって、設定はリスクを下げる手段ですが、「送信しても誰にも処理・保存されない」という保証ではありません。接続アプリやカスタム機能を使う場合は、送信先の第三者ポリシーも確認します。
OpenAI:Data Controls FAQ OpenAI:Temporary Chat FAQ Google:Gemini Apps Privacy Hub
会社や他人の情報は、法律と契約も確認する#
個人情報保護委員会は、事業者が本人の同意なく個人データを生成AIへ入力し、そのデータが回答以外の目的でも扱われる場合、個人情報保護法に違反する可能性があると注意喚起しています。経済産業省の契約チェックリストも、入力データの利用・外部提供・権利帰属などを契約で確認する観点を整理しています。
この記事だけで個別案件の適法性は判断できません。顧客・従業員・取引先の情報を扱う場合は、社内の情報管理担当や法務、必要に応じて専門家へ確認してください。
送信前の10秒チェック#
- この文章やファイルは既に公開されているか。
- 自分には外部サービスへ送る権限があるか。
- 人名や会社名を消しても対象を推測できないか。
- ログイン情報や秘密の値が混ざっていないか。
- 利用中の製品・プラン・設定で、保存と学習利用はどう扱われるか。
- 間違って公開・共有されても許容できるか。
1つでも判断できなければ送信を保留し、公開情報や架空データで作業手順だけ試します。確認日:2026-09-16。製品設定は変わるため、利用時に公式画面も確認してください。
次は、選び方を整理する